相鉄・JR直通線開業2周年!2年目で新設された行先2選、今後はどうなる?

相鉄・JR直通線が2019年11月30日に開業してから2年が経過した。
時勢の影響もあり想定ほどには乗客数が増えていない一方、約1年後の2022年度下期にせまった相鉄・東急線直通開始も控えている状況だが、この機会に相鉄・JR直通線の現状の一側面として、特に2021年3月改正以降に見られるようになった行先の列車を振り返ってみたい。

平日朝の池袋行き(3本)

新宿駅4番線に停車中の相鉄12106F各駅停車池袋行き(2021年9月)
2021年3月改正で平日朝に池袋行き3本(うち相鉄運用2本)が新設され、新宿-池袋間でも相鉄の車両が日常的に見られるようになった

開業当初から(平日・土休日問わず)朝ラッシュ時のみ6往復が新宿以北にまで直通しており、それ以外の相鉄・JR直通列車は原則として新宿⇔海老名間の運転となっていた。ちなみに、新宿以北への直通列車は原則としてJR車のE233系運用となっており、以降は埼京線の運用に就く。

2021年3月改正では、平日に限り朝ラッシュ時上りの新宿以北への直通列車が8本(以北からの直通は7本)となり、以前の「赤羽行き+新宿止まり2本」が「池袋行き3本」に置き換えられた。この池袋行きのうち2本が相鉄12000系運用となり、相鉄の車両が定期運用として新宿以北に顔を見せるようになった。なおその2本は、1本は朝のうちに、もう1本は14時台に新宿始発の海老名行きとして相鉄方面に戻っていく。

ちなみに先日10月23-24日の渋谷駅工事の際にも、相鉄・JR直通列車が(新宿-品川間の臨時列車が走る都合もあってか)原則として池袋発着として設定されたため、相鉄12000系を含んだ多くの列車が池袋⇔海老名間で運転された。

来年以降の改正において、相鉄方面⇔新宿・池袋以北への直通がさらに拡大するのかどうかも気になるところではある。朝ラッシュ時については行先・本数が変化する程度なら毎年あり得る一方、日中以降の大宮・川越方面などへの直通は、埼京線のダイヤパターン変更や異常時対応などのことを考えると難しいだろうか。

土休日朝に1本新設された大和行き

武蔵小杉駅3番線に停車中の相鉄12101F各駅停車大和行き(2021/3/28)
土休日新宿7:25始発のこの列車のみ、海老名まで行かない相鉄線直通列車となっている。

一方、同じく2021年3月改正の「土休日」に生まれた新列車として、朝の下り2番列車が「大和行き」になったというものが挙げられる。他のJRから相鉄への直通列車は全て「海老名行き」なので、そういう意味では非常にレアな列車とは言える。なお、原則として相鉄車運用である。

この列車は相鉄線内は各駅停車として運転され、終点の大和に到着した後、相模大塚駅横の留置線に回送され、そのまま夜のJR直通運用に就くようになっている。ダイヤとしては直後に海老名行きの本線特急が走り、その後に各駅停車海老名行きが走る形となっている。

大和行きの設定理由は不明だが、あくまでも相鉄本線のダイヤや運用を踏まえた上で結果的に生じたものだとは思われる。また、この列車は当該の改正で土休日唯一の大和行きとなっており、横浜-上星川間では土休日に大和行きの列車が停車することは無かったりもする。

大和行きなど途中駅止まりの列車は、今後も相鉄自体のダイヤ改正の度に改廃が生じていくものだとは思われ、少なくとも東急直通開始時には何かしら動きがあるであろう。(この場合、より本数の多い東急側からの行先の種類も気になるところではある。)

まとめ・今後の展望

以上、池袋行き・大和行きが、相鉄・JR直通2年目の途中、2021年3月改正から見られるようになった行先である。いずれも朝の限られた本数の列車であり、微小な改善や運用の都合と捉えられる。この他、朝時間帯には羽沢横浜国大始発西谷行きの区間列車も増発されていた。

今年の改正におけるダイヤの変化としてより重要だったのは、JR直通列車の相鉄線内種別が「日中各駅停車、朝ラッシュ時・夕方以降特急」にほぼ統一されたことである。開業当初は日中は各停・特急交互、夕方以降は平日特急・土休日は一部時間帯各停統一であったが、需要も見てそれぞれの時間帯に合う種別として統一したものと思われる。

どちらかというと「日中は(新宿-海老名間の競合意識の速度重視で)相鉄線内特急」「夕方は(相鉄線内各駅への着席需要として)相鉄線内各停」という考え方もできなくはないが、小田急には(新宿対大和・海老名へは)所要時間・運転本数・運賃いずれでもほぼ勝てないのと、ラッシュ時はむしろ横浜と相鉄線各駅を結ぶ需要(特急でなく急行・快速の設定)の方が重視されているなどと考えれば、納得できなくもない。

次回2022年春の改正で相鉄線・相鉄JR直通列車・埼京線にどのような変更があるのかは現時点では予想はつかず、ひとまずは2〜3週間後のJRグループダイヤ改正に関する報道発表を待つばかりである。
一方、約1年後の2022年度下期には相鉄・東急線の直通運転が開始となるため、相鉄線内は確実にダイヤ改正が生じる。東急側を含めた直通列車の設定方法はもちろんのことだが、JR直通列車の境遇がどのように変化するかにも注目したいところだ。

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