【旅行記】雨の布原駅に41分間滞在!期間限定の折り返しを試してみた

JR伯備線・布原駅に芸備線・備後落合行きで到着!しかし天気はまさかの雨…

特急も停車する新見駅のお隣、JR伯備線の駅なのに「伯備線」の普通列車は全て通過してしまう駅「布原(ぬのはら)」。駅設備はごく最低限でトイレも無く、付近には数軒の民家、主要な道路に出るには大きく迂回する必要があるなど、まさに秘境駅と呼べる駅である。

存続が危ぶまれるJR芸備線(特に備後落合-備中神代・新見間)だが、近年は増発実験なども行われ、本年は10/23〜12/5の土休日に限り、備後落合以西と合わせて増発が行われることになった。

今回、芸備線の普通列車しか停車しない布原駅にも乗降チャンスが増えることになり、具体的に時刻を調べてみると、普段よりも「訪問しやすい」ダイヤとなっていたので、この機会に訪れることにした。

普段は難しい!布原駅への短時間訪問

新見駅1番線に停車中のキハ120系普通備後落合行き(2021/11/27)
新見駅の駅舎側から撮影。しかし天気が思わしくなく…?

その行程とは、新見駅13:02発の定期列車で布原駅に13:07に降り立ち、41分後に来る臨時列車(備後落合12:30→布原13:48→新見13:54)で新見駅に戻ってくる、というものである。

実は普段から「布原駅の滞在時間が同等・それ以上に短い」行程は存在するが、それは早朝(サンライズ出雲号の新見停車時刻よりも前)であったり、新見駅からだと一旦布原を通り越して備中神代へ行って2時間以上待つ必要があるなど、「とりあえず布原駅に降りてちょっとしたら帰る」というような行程は、実質通常は組むことができない。

今回は、普段より圧倒的に手軽に布原駅の乗降を体験できる機会となるため、まず訪れることにしてみた。

やくも7号下車から2時間待ち、芸備線に乗車

381系特急やくも7号出雲市行き
新見駅6番線に停車中の381系特急やくも7号出雲市行き(2021/11/27)

新見13:02発の芸備線定期列車に乗車するための最も接続が良い列車は、伯備線普通列車(岡山11:14発→新見12:47着)である。その1時間前にも普通列車はある。
しかし新見駅まで特急やくも号を利用したい場合、岡山10:05発→新見11:07着の特急やくも7号に乗車し、新見で2時間弱も待つことになる。本来なら岡山11:05発の特急やくも9号が存在するが、時勢の影響による減便対象となっている。(奇しくも、芸備線増発期間が終わる直後に復活予定となったのは先日の記事の通り。)また、仮に特急やくも9号が運転されていて利用したとしても新見で約1時間待ちである。次の特急やくも11号は、芸備線が出発して10分後の13:12に新見駅に到着する。

今回は、381系も数年以内に置き換わるため出来るだけ乗っておきたいなどの意味も込め、まず特急やくも7号に乗車した。7両編成での運転、指定席はほぼ埋まっていたが、先週そうなったと聞いたように指定席の通路まで自由席の立ち客で埋まるということはなかった。

なお、新見駅から少し足を伸ばすとコンビニや飲食店などが数件存在するので、暇を潰すことは不可能でもない。(新見駅周辺に関しては、また改めて記事にできればと思う。)

新見駅1番線に停車中のキハ120系芸備線普通備後落合行き
新見駅1番線に停車中のキハ120系芸備線普通備後落合行き(2021/11/27)

12:47に岡山からの伯備線終着列車が到着、接続を取って12:50に津山線の列車が発車。
その数分後、1番線に芸備線備後落合行きが到着。この列車は、終点の備後落合で芸備線三次方面・木次線宍道方面の両方の列車と通常唯一接続する、いわば定番の列車である。

天気が安定しない中、学生などを含んだ10〜20名ほどの乗客を乗せた1両編成の列車が、新見駅1番線を13:02に出発した。

いざ布原駅へ、しかし降りると天気は…

布原駅を発車したキハ120系備後落合行き
布原駅2番線を発車したキハ120系芸備線備後落合行き(2021/11/27)

新見駅から5分、キハ120系単行は布原駅に到着。
この時、残念ながらしっかりと雨が降っていた。布原駅での降車客は自分以外にもう1名いたが、お互い苦笑いの表情を浮かべた。

布原駅の駅ノート保管
布原駅の駅ノートは、雨風にも対応できるよう、しっかり固定された箱の中にしまわれていた。

線路を渡り、道路側の布原駅出入口の階段へ。
手すりには、秘境駅おなじみの「駅ノート」が入った箱が設置されていた。しっかりと蓋が閉まるようになっており、このような雨風の中でもノートを無事保管できるようになっているのは素晴らしいと思った。

布原駅付近で下り特急・普通列車を1本ずつ撮影

布原駅を通過し、橋を渡る381系特急やくも11号出雲市行き

布原駅に着いて約10分後、下り特急やくも11号が通過する。やくも号から新見でギリギリ間に合わないということは、逆に布原で待ち構えるとすぐ来るということでもあるのだ。

この時はまだ雨が弱まらず、さすがに狭いホーム(仮に対向ホームでも)で傘をさすわけにもいかないので、布原駅から少し進んだところにある橋付近(の線路から十分離れた位置)で撮影を試みた。

布原駅下りホームに運転停車する115系伯備線普通列車米子行き(2021/11/27)

そしてその約15分後、今度は伯備線の普通列車が数分間運転停車する。通過扱いなのに一旦停車するのは、本来なら運転されている上り特急やくも号の行き違いダイヤが想定されているためだと思われる。

雨が弱まって傘が要らないタイミングがあったので、一瞬上りホームに上がり、停車中の普通列車を撮影してみた。
伯備線・そしてその先山陰本線の西出雲までは、この黄色い電車が走ることがある。布原駅のような山間部では少々ミスマッチ感もあり、逆にそこが面白いとも言える。

臨時列車で新見駅に帰還。普段は次の列車が2時間後!

布原駅1番線に到着したキハ120系普通新見行き
布原駅1番線に到着したキハ120系普通新見行き(2021/11/27)

布原駅周辺を軽く散策しているうちに天気は再び快晴となり、そして臨時列車の時刻となった。この列車には10名程度が乗車していたが、多くは三次方面から臨時列車を乗り継いだか新見側から折り返した乗客と思われる。

この13時台に新見駅に「到着」する臨時列車も12/4・5限り。来年もまた秋などに芸備線の臨時列車増発があるのだろうか、そして芸備線の備後落合以東はいつまで存続するであろうか…

最後になるが、布原駅は訪問・滞在共に難易度の高い駅となる。クマなども出るそうなので、少なくとも暗い時間の滞在は避けるのが無難と思われる。
それらも踏まえ、次は夏の夕方辺りを狙って布原駅を訪れてみたいと思う。

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