近々特急の行き先になる?肥前鹿島駅

肥前鹿島駅2番線に停車中の885系(白いかもめ)特急かもめ17号長崎行き(2021/11/13)

西九州新幹線(長崎新幹線)武雄温泉-長崎間の開業が来年2022年秋に控えている。既存の在来線特急「かもめ」号と比べて博多-長崎間の所要時間が30分程度短縮される見込みである一方、武雄温泉駅での乗り換えが必要となる。博多(新鳥栖)-武雄温泉間の整備がどうなっていくのかは、今後も気になるところだ。

肥前鹿島駅の改札出口上には、バスで祐徳稲荷神社・嬉野温泉へ行けることを示す看板がある

そんな中、現在特急「かもめ」号が経由・停車しているものの、西九州新幹線のルートから外れてしまう駅がある。それが「肥前鹿島」駅だ。肥前山口駅から約10分、諫早まで約40分という位置にある。

ホームは1面2線で簡素な造りの駅だが、日本三代稲荷の一つである「祐徳稲荷神社」への玄関口であり、ホーム柱が鳥居をイメージしたようなものになっているのが特徴である。

肥前鹿島駅には現在毎時1本以上の特急が停車しているが、
西九州新幹線開業後は、佐賀・博多方面のみ1日7往復の運転となる見込みだ

肥前鹿島駅は現在、毎時1〜2本、上下合わせて45本の特急かもめ号が停車している。これが西九州新幹線開業後に全て無くなるというわけではなく、どうやら「博多⇔肥前鹿島」間の特急が1日14本(7往復)運転される見込みである。
現在と比べれば大幅に本数が減るものの、また片方向7本の運転時間帯などはまだ定かではないが、佐賀や博多への直通特急は一応残るというものだ。車両などはまだ不明だが、直後に述べる通り電化区間とはなるため、現在かもめ号に使用されている885系や787系が引き続き使用される可能性はある。

かもめ号が通らなくなる肥前山口-諫早間について、その特急の回送・留置のため肥前鹿島の1駅先の肥前浜駅までは引き続き電化区間となるが、肥前浜-諫早間は非電化区間化となる。元々普通列車の運転本数が極端に少ない区間(肥前山口-諫早間を乗り通しできる列車は1日6〜7本程度)であるが、特急の交換待ちがなくなるのとディーゼル化との両方の影響を考えると、所要時間に関しては今とそれほど変わらないであろうか。

※参考文献
西九州ルート開業後の長崎本線の取扱いについて(2016/5/26 佐賀県)
新幹線開業で主役交代、在来線「長崎本線」の現状(2021/8/24 東洋経済ONLINE・鉄道ジャーナル編集部)

肥前鹿島駅の目の前に建つ「祐徳バスセンター」(2021/11/13)
祐徳稲荷神社や佐賀駅の他、西九州新幹線の要所ともなる武雄温泉、嬉野温泉などへのバスも出ている

駅前には昭和レトロの雰囲気が漂う「祐徳バスセンター」の建物がある。祐徳稲荷神社の他には、佐賀駅や肥前山口駅、新幹線の起点駅となる武雄温泉駅、そして現在は鉄道が通っていないが新幹線の駅が新設される「嬉野温泉」へのアクセスも毎時1本程度存在している。

長崎本線の非電化となる区間の普通列車運転本数を考えると、西九州新幹線開業・現在の特急「かもめ」廃止後の長崎側から肥前鹿島へのアクセスは、嬉野温泉や武雄温泉からバスというルートも場合によっては実用性が出てくるかもしれない。少なくとも軽くマニアックな鉄道旅行の一つのプランとしては、新設の肥前鹿島発着の特急+バス+長崎新幹線というルートも面白そうではある。

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